夏の日の思い出3 | HOMES個別指導学院
校舎ブログ

夏の日の思い出3

上石神井校|2011年8月29日

全国のHOMESファンのみなさまこんにちは。
最近はまた暑さが戻ってきました。
肌寒くなったり、ゲリラ豪雨になったり、また暑くなったり、天気も忙しいですね。
そんな中、今日もいつものようにSTEADYに向かっていった3人の高校生の背中にちょっとした感動を覚えました。

しかし、もう夏も終わります。
いよいよ、実りの秋。
みなさんの夏の努力も、実りの時を迎えます。
それぞれのテストを、精いっぱいがんばりましょう。

さて、そういうわけでして、短期連載「夏の日の思い出シリーズ」もいよいよ最終回です。
「連載だったのかよ」「シリーズだったのかよ」「なのに3回で終わりかよ」
色々つっこみはあると思いますが、今日は僕が学生時代に大泣きしてしまった3回のうちの、最後の1回について書きます。

僕の学生時代の人物像を一言で言うならば、プライドは高いが何も「もってない」男。
本当に、あらゆる才能が、なかった。

僕が学生の頃は、ちょうど「ドリフターズ」から「ダウンタウン」に笑いの先導者が移行してた時期で、
コントの代表格が「8時だよ全員集合」から「ダウンタウンのごっつええかんじ」になったころだった。
要するに、笑いに「芸術性」が付与されて、笑いのステージが一段上がった時期だった。
つまり、「お笑い芸人」が崇められるようになった時期だった。
つまり、「おもしろいやつがかっこいい(モテる)」時期だった。

そんな中、自分のキャラクターは「寒いことを言う男」だった。
今でこそ「すべり芸」なんてジャンルがあって、寒い男にも生きる道ができたが、
当時は「寒いやつはだめ」という雰囲気だった。
そんな中、僕は、寒かった。

毎日お笑いのビデオをみて研究した。
ダメな自分が許せなかった。プライドだけは、高かったから。
でも、だめ。どうしても、おもしろいことが、言えない。
もう、逃げ出したかった。
だけど逃げ場所はない。学校に行けば、いつもの面白トークを青木君(仮)や橋本君(仮)が繰り広げていた。
僕はその横で、いつも歯を食いしばっていた。

かっこいい男の条件は、笑いと、もう一つ。オシャレであることが大切だった。
僕が学生の頃は、「モード系」というファッションが流行っていた。
ブランド物で、一つ一つのアイテムが、ちょっと高い。
そしてやはり僕には、ファッションセンスがなかった・・・。

でも、プライドだけは高い。だめな自分に、我慢ができない。
毎日洋服屋さんに通った。店員と仲良くなった。全部コーディネイトしてもらった。
色々、言われるままに、買った。一つ一つのアイテムが、ちょっと高い。
親のすねをかじってかじって、ぼろぼろになるまでかじった。
それでも、なんか、こう、おしゃれな人とは「違い」がでるもんだよね。
自分の格好は、みんなに笑われた。

「ビッグエコー」という「世界で初のカラオケボックス」が誕生したのが、僕が中学1年生のころだと思う。
だから僕の学生時代は、「カラオケ」というのが一つのブームだった。

話の流れでわかると思うけれど、僕は音痴だった。
でも、そんな自分に我慢ができない。だから、かなり頻繁にカラオケに(ひとりで)通った。
好きな子の前で歌ったとき、好きな子が「聞かないふり」をしてくれた時は、その優しさがつらくてマイクを壊しそうになった。

何も、うまくいかなかった。
学校の成績は388人中386番。
スーファミのやりすぎで、視力がどんどん落ちていった。

そんなとき、メガネを購入した。
ジャンポールゴルチェという、ブランドのメガネ。
ぼろぼろのすねをさらにかじって、かじりたくないのにかじって、
悲壮な覚悟で購入したおしゃれメガネ。

掛けたら、笑われた。
まん丸の、メガネだった。

帰りに自転車をこいでいると、急に強い雨が降り出した。
びしょ濡れになりながら、自転車をこいだ。
雨で視界が悪い。
この、メガネを、壊したかった。
でも、これは、僕の大好きなお母さんのすねを、血が出るまでかじって買ったメガネ。

転倒した。
メガネが、飛んで行った。メガネが、どぶに落ちた。
四つん這いになって、拾いに行った。どぶに、手をつっこんだ。
メガネ、メガネ、ダサいメガネ・・・。

泣いた。
なんか、もう、いろんなことが嫌になって、泣いた。
メガネは、拾ってすぐに、折り曲げた。投げ捨てた。そして泣いた。

よくわからないけど、青春って、こういうことなんじゃないかと思う。
少なくとも、自分にとっては、青春とは、こういうものだった。

だから、塾の先生になろうと思った。
青春時代に、苦しんでいるみんなに、「僕も苦しかったんだよ」と言ってあげようと思った。
僕の学生時代、学校の先生はそんな話はしてくれなかった。
ただ、塾の先生だけが、そんな話をしてくれた。
だから、僕も、塾の先生になろうと思った。

さて。
新しい季節がやってきますね。
どの時代にも、どの季節にも、それぞれに違った意味があって、それぞれに同じだけ貴重な意味がある。

  

「夏の日の思い出シリーズ」は、遠回しだけれど、みんなへの応援のつもりで、書いた。

明日からも、また、がんばろうね。

上石神井校 校舎長  林克洋

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