校舎ブログ

短歌を味わう

上石神井校|2012年11月14日

こんばんは。校舎長の林です。

公立中学に通うみんなは、そろそろ定期テストですね!

さて、今日の国語の時間に、「短歌」の勉強をしたのですが・・・うーん。難しいですね。

海恋し潮の遠鳴りかぞえては少女となりし父母の家

 

さて、何区切れでしょうか。

・・・難しいですね。

というか、「区切れって何?そもそもこの短歌の意味が分からん!!」となっちゃう生徒たちの様子が目に浮かびます。

でも、上石神井ブログをご愛読くださっている方はご存知かもしれませんが、僕は、国語が好きなのです。

だから、生徒のみんなには短歌を好きになってほしい!でも、教科書の短歌は、少し難しい!

だから・・・おすすめ図書です。

じゃん!

前にも一度取り上げたことがあるのですが、穂村弘さんの本です。

これ。これをまず読んでほしい!!

例えば、こんな一首。

ヤクルトの古田のメガネすごくヘンもっといいのを買えばいいのに

 

これも短歌です!!!

どうですか?これ。これでも「短歌ってよくわからん」って言えますか?(笑)

ちなみに、これに対する穂村さんの解説は(あ、この本は素人の短歌をプロが解説していく本です)以下です。

「よけいなお世話の次元にまで踏み込んだところに、愛があっていいですね。一回読んだだけで覚えました」

です。なるほど解説もわかりやすい!

ちょっと「ヤクルトの古田」は例えが古かったでしょうか(あ、ダジャレ)。

ということでもう一つ紹介。

遮光土偶の次なる人は西田幾多郎なり教科書の中でメガネかけているのは

これも短歌です!!

ちなみに解説は以下。

「完全に字余りなんですが(笑)。まず上の句、これは全く異常な言葉。ここだけみるとなんなんだと誰もが思う。その謎が下の句で完全に解明されます。その落差がとても大きい。全体は単なる事実なんですが。(以下略)」
おもしろいですよね。

短歌のすばらしさ、わかってくれましたか?

まだわからないというあなたにもう一つ。穂村さんの作品です。以前もブログで紹介したっけな?

サバンナの象のうんこよ聞いてくれだるいせつないこわいさみしい

これも短歌です!!(しつこいか)

これの解説は・・・僕がしてもいいですかね。

「せつないとかさみしいとか、そういう根源的な感情を聞いてもらう相手っていうのは、実はほとんどいない。みんな抱えていることなのに、みんな抱えていることだから余計に、そんな当たり前すぎる感情を、お互い愚痴りあったりはしないよね。でも、でも。あふれそうになることは、あるよね。だから、どうしようもないから、象のうんこに対してつぶやく。えんぴつとか消しゴムとかにつぶやいてもいいのだけれど、それを象のうんこと表現したところが、たまらなく『うまい』ですよね。プロの技だなあと思います。」

えらそうに解説してしまいましたが・・・・。

実際、とても評価が高く、穂村さんの代表作と言われています。

僕が短歌の授業をするときは、かならずこの短歌を紹介してからやってます。

まず、短歌を好きになること。

さてさて。

冒頭の一首に戻りましょう。

海恋し潮(しお)の遠鳴りかぞえては少女となりし父母の家

どうですか。

なんだか、さっきより、「わかる」「うまい」「解説聞きたい」という気持ちに、なりませんか?

ちなみに、訳は、「ああ、故郷の海が恋しい。遠くから聞こえてくる波の音を数えながら育っていった、ふるさとの家よ」

みたいな感じです。だから、初句切れ。

美しい言葉は、心の栄養です。

美しい絵は、なぜ評価されるのか。

それは、「人の心を打つから」じゃないでしょうか。

言葉も、同じ。

心を打つ言葉は、心に名前を与える。

それが、多彩であるほど、豊かな心になっていくのではないでしょうか。

長くなりましたが、今日のブログは以上です。

おそまつさまでしたっ

上石神井校 校舎長   林克洋