名前に隠された秘密
彦根駅前校|2018年4月21日
今日は高3の日本史特講でした。
先週は邪馬台国の話をしましたね。今日は歴代の天皇の諡号にまつわる話です。
諡号って何?そもそもなんて読むん?と思ったかもしれません。
これは「しごう」と読みます。皇帝や王様など、高貴な人が亡くなった後に功績を称えて贈られる名前です。
日本史では「◎◎天皇」の「◎◎」の部分のことで、例えば推古天皇とか天智天皇の「推古」「天智」が諡号です。
この諡号にはある秘密があります。ちゃんとした記録が残されるようになった飛鳥時代以降、この諡号に「崇」や「徳」の字が入っている天皇は、すべて無念のうちに亡くなっているのです。興味がある人は調べてみてください。
特にこの二つとも使われている崇徳上皇は特別です。崇徳上皇というと百人一首に歌が残っているほどの歌人です。
「瀬を早み 岩にせかるる 滝川の われても末に 逢はむとぞ思ふ」ですね。
さて、崇徳上皇は保元の乱で敗北して四国の讃岐に流されたのですが、『保元物語』によると、「日本国の大魔縁となり、皇を取って民とし民を皇となさん」と自分の血で呪いの言葉を書いて無念の死をとげたとされています。
歴史を勉強した人は知っての通り、この直後に武士の時代が幕を開け、江戸時代が終わるまでの約700年間、天皇が政治的な権力を持つことはなかったのです。昔の人々はこれを崇徳上皇の祟りであると考え、日本一の大怨霊として恐れ続けました。
そして時代は流れ、明治天皇が即位するときに、四国で祀られていた崇徳上皇の神像を京都に移して白峯神宮を建立します。この直後に明治維新が起こるのです。不思議な話ですね。
ちなみに白峯神宮ですが、元々蹴鞠の宗家だった貴族の屋敷跡に建てられており、境内には蹴鞠の守護神である精大明神も祀られています。このため「サッカーの神様」「スポーツの神様」とされ、多くのサッカー選手が参拝に来るそうです。
彦根駅前校 川口