日本史の未解決の謎の一つ
彦根駅前校|2019年5月10日
明日の高2は日本史の対策をします。
今回の範囲は旧石器時代から飛鳥時代の手前くらいまでのようですね。
この辺りの時代は史料も少なく謎も多いです。だから新しく何かが発見されると歴史が大きく塗り替わります。
例えば、私が中学生のころは「稲作が始まったのは弥生時代で、せいぜい2300年前くらい」と習いましたが、3500年前の土器に籾の跡がついていたりして、どんどん遡っています。3500年前というと以前は縄文時代とされていた時期です。
文字の記録が残るようになってからも謎はたくさんあります。諸説あっていまだに結論が出ていないものを一つご紹介しましょう。英語で書くと「One of the unsolved mysteries of Japanese history」ですね。わざわざ英語にしなくてもいいですが、今日は英作文の対策だったものでついついやっちまいました。
それはさておき、今月1日に第126代となる天皇陛下が即位され、令和元年となりましたね。文字通り新時代の幕開けで気分も新たにチャレンジしていきたいものです。
だいぶ時代を遡っていくと、初代は神武天皇です。古代の天皇には様々な別名があります。日本書紀の中にある神武天皇の名の中に「始馭天下之天皇」というものがあります。
初見で読めたらすごいです。「はつくにしらすすめらみこと」と読みます。「はつ」は「初めて」、「くに」は「国」「しらす」は「統治する・支配する」「すめらみこと」は「天皇」です。「初めて国を治めた天皇」という意味ですね。
ところで、第10代は崇神天皇なんですが、同じ日本書紀の記録で、名の中に「御肇國天皇」というものがあります。これがなんと「はつくにしらすすめらみこと」と全く同じ読みなんです。そしてさらに不可解なことがあります。第2代の綏靖(すいぜい)天皇から第9代の開化天皇まで、日本書紀には名前は出てきても、どういう人で何をしたのか一切書いてないんです。
これは一体どういうことなんでしょうか?
この二つの同じ呼び名が違う本の中で出てくるのであれば、「別の人が書いた本だから、違う人を初代にしちゃったんだ」という仮説が成り立ちますが、どちらも同じ日本書紀に出てくる記述なんです。
これまでいろんな説が出されてきましたが、いまだに決着がついていません。中には自分の政治的な思想からある説を唱えたり別の説を攻撃して否定する人もいたりして、かなり複雑でうっかり手が出せないような問題になっています。この謎が解き明かされたら、その人の名は教科書に太字で載るレベルの出来事になるでしょう。
興味がある人は考えてみてください。
あ、テストが終わった後にしてね。
彦根駅前校 川口